百合日記

体験談なのか、創作なのか…想像におまかせ…

体験談

朝の蝉《2》~百合日記⑤~

初めて幸が私の部屋に泊まった日の翌朝も、こんな晴れた明るい朝だった。 私が目を覚ました時、彼女はまだ眠っていた。カーテンの隙間からはほんの少し光が差し込んでいたけど、あたりはまだ早朝の静けさに包まれていた。 5分。10分。幸の寝顔を見ていると、…

朝の蝉《1》~百合日記④~

蝉の鳴き声で目が覚めた。 昨夜まで降り続いた雨は止み、朝の日差しが眩しい。 あのまま泊まっていったえんちゃんは、まだ寝息をたてている。2人でシングルベッドはやっぱり狭かった。ちょっと体が痛い。 普段より早く目が覚めてしまったのは、たぶん、あの…

醒めたあと〜百合日記③〜

ソファの上でしばらく戯れた私たちの肌は、少し汗ばんでいた。交代でシャワーを使って部屋着に着替えると、さっきの酔いがすっかり醒めているのを感じた。素面のえんちゃんは恥ずかしそうだったけど、やっぱり私の隣にくっついている。「ゆりちゃんが気持ち…

えんちゃんの告白…から始まった〜百合日記②〜

「私ね、ゆりちゃんが好き」 グラスを置いたえんちゃんが、うつむいてそう言った。 夏休みの帰省を取り止めた私の部屋で、食後にちょっとだけと飲み始めたカシスソーダのグラスの水滴をもてあそびながら。顔は上げない。 「えっと……」 『好き』…この場合、好…